故障!?

朝夕、冷えるようになってきましたね。


ある朝のこと。

その日はゴミの日で、ベランダに出しっぱのゴミをまとめていた。

その時、エアコンの室外機の音がうるさいのが気になった。
その上とかその周りに物が置いてあるのが悪いのか？と、物を退かしても音は止まず。

思わずその室外機を【バンッ！】と、叩いてしまった。

すると……

室外機音が急に弱々しくなり、プロペラの回転が止まった。

まさか………壊した？

もう二度三度、叩く。
【バンッ！バンバンッ！】
―――プロペラは回らない。


慌てて部屋の中に戻りエアコンを見る。
と、風向きを調整する羽根が中途半端な位置で止まっていた。

リモコンを手に取り、真ん中の大きなボタンを押す。

―――エアコンは動かない。

今度はリモコンのボタンをデタラメに押す。

―――エアコンは動かない。


故障か!?

ホントに壊しちゃったのか!?



ひとり慌てて動揺しまくっているわたしに、苺が話し掛ける。

「おかあさん、金魚の電気付けてもいい？」

「…ん？ぁあ、イイよ」

パチッ

「あれ？付かないよ」

パチパチパチ…

リモコンのボタンをデタラメに押したわたしのように、
金魚水槽のライトのスイッチを、デタラメに切り替える。



―――………！



そう、その時、部屋の中ではエアコンの他にオイルヒーターもついていたはず。

台所では、オーブンレンジの中で、朝食の食パンが回っていたはず。


―――すべて止まっている。


ブレーカーだ！
ブレーカーが落ちたんだ！


冬の朝にはよくあること。
今季、初めてのこと。


もう、冬が始まったんだ。


だからって、何もこのタイミングで起こらなくても………

わたしが部屋の外に居た時じゃなければ、

わたしがエアコンの室外機を叩いた時じゃなければ、

こんなに慌てることもなかったのに………



どっと脱力感に襲われて始まった、冬の朝でした。